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廊下がザワザワと騒がしくなった昼休み。
小さくため息をついて、私は廊下を歩いていた。
なぜ昼休みに私が廊下を歩いているのかというと、直美たち3人にパシリを頼まれたからだ。
『梨沙、うちらの飲むジュースを自販機で買ってくれない? お金はあとで返すからさ!』
私にパシリを頼むのが当然のように、そう言っていた直美。
私をパシリに使う直美を、ヒロエと紀子が止めるわけがなく、『いってらっしゃ〜い』と言って私の背中を押した。
ヒロエと紀子が止めないのはわかっていたけど。
ジュースを買ってと仲間に頼むなら自分でジュース買ってよ、と思うが、直美に逆らえないので素直に従うしかない。
再びため息をついたタイミングでうつむいた顔をそっとあげると、視界に自販機が映っていた。
どうやら、うつむきながら歩いているうちに自販機の前まで来ていたらしい。
目の前に自販機があったことにびっくりして肩を震わせながらも、スカートのポケットから財布を取りだし、並んである飲みものをじっと眺める。



