水月夜


☆☆☆

その日の帰り道。


私は、雨宮くんと聖奈と天馬くんと一緒にファミレスまで来ていた。


「意外だね〜、緒方先輩に裏の顔があったなんてさ〜」


グラスに入れられたメロンソーダを飲みながら、聖奈がつぶやいた。


ファミレスまで来て席に着くなり、聖奈に、緒方先輩になにをされたのかこと細かに聞かれ、私が保健室で先輩にされたことを説明した。


そのあとに聖奈が発したのが、先ほどのセリフ。


「私も信じられないよ。誰に対しても優しかった緒方先輩が、『力づくで俺のものにすればいいんだ』って言うなんて……」


驚きを隠せないのは私も同じだ。