水月夜

それに、雨宮くんが『好きって言わせたお前が悪い』って言ったから……。


心の中でそうつぶやいた直後、昼休み終了を告げるチャイムが鳴り、雨宮くんが慌てて私から体を離した。


「あっ、悪い。つい……」


「う、ううん……」


そして、まるでなにごともなかったかのように、私の手首を引っ張って歩きだした。


そこから教室に入るまで、私はずっと顔を真っ赤にしていた。


教室に入ると、クラス全員が雨宮くんを見てびっくりした。


友達である天馬くんも驚いている。


「は……颯! お前、学校休むんじゃなかったのか……?」