私に対してはただその表情だけを向けていたのに、今はどうだろう。


満面の笑みを浮かべて楽しく会話している直美とヒロエ。


昨日私が謝ったあとの直美の反応が違う気がする。


直美も、私のことを本当の意味で親友だとは思っていないのかな。


そう思うと、なぜか不安な気持ちになる。


心がざわつくのを感じながら直美たちの姿を見ていると、ホームルームのはじまりを告げるチャイムが鳴り、直美たち３人はそれぞれ自分の席に戻った。


他のクラスメイトたちも慌てた様子で自分の席へと戻っていく。


クラスメイト全員が口を閉じて黙った直後、手前側のドアから担任の先生が現れた。


それと同時に今日の日直の男子が号令をかける。


先生が静かな声で「着席」と言い、私を含む全員が再び椅子に座った。


そのあとクラスメイトたちは先生の話を眠たそうな顔で聞いていたが、火の粉が降りかからないような対応をした紀子の表情が気になって、先生の話を真面目に聞けなかった。