そして、わがままを言う子供のように拗ねた。


「うるせぇ……」


真っ赤にした顔を私からそらし、腕で口もとを隠す雨宮くん。


カッコいい雨宮くんの照れている姿、可愛い。


そう思いながら階段を上った。


1階から2階へ続く階段の踊り場まで来たところで、雨宮くんが真剣な顔を向けながらピタッと立ち止まった。


不思議に思い、私も足を止めて、雨宮くんの次の行動を待つ。


私が立ち止まってから十数秒たったとき、手首を引っ張られる感覚に襲われた。


手首を引っ張った犯人である雨宮くんは、私の耳もとで小さくささやいた。


「……男に可愛いって言ったらダメ」