水月夜

自分がフラれることを予想していなかったのか、焦った表情を見せている。


だけど、私の上にまたがる必要はないだろう。


「落ち着いてください、緒方先輩。私は……」


「落ち着けるか! 好きな子に告白してフラれたんだぞ! その気持ちわかってんのか⁉︎」


保健室まで連れてきてくれたときまでとは一転、私の言葉をさえぎって怒り狂う緒方先輩。


なんとか落ち着かせる方法はないものか……。


そう思ったとき、緒方先輩がなにかを思いついたような表情を浮かべた。


なんか嫌な予感がする。


今すぐ逃げたいが、逃亡に失敗すれば、緒方先輩はさらに怒り狂うだろう。