水月夜

体重をベッドに預け、あお向けになる。


真上から真っ白な蛍光灯の光が目に少しだけかかり、視線を下に落とす。


すると、緒方先輩が私の手を優しく握ってきた。


「緒方先輩……?」


「柏木ちゃん……」


私の目に映る緒方先輩は、なぜか目をうるうるさせていた。


どうして?


目をうるうるさせている理由を知るため、先輩に問いかけた。


「先輩、どうしてそんな目を私に向けるんですか……?」


「そんな目って?」


どうやら先輩本人は、目をうるうるさせていることに気づいていないらしい。


「涙が出そうな、うるうるした目ですよ」