水月夜

「ねぇ、本当に大丈夫⁉︎ 保健室に行ったほうがいいんじゃない?」


どうやら聖奈の目に映る私の顔色は、相当悪いようだ。


口から手を離し、一生懸命の笑顔を聖奈と緒方先輩に見せる。


「大丈夫……午後の授業には出れるから……」


だが、緒方先輩が私の言葉を無視し、私の手を取って、軽く引っ張った。


食堂内が一気にざわついたのがわかった。


でも、今の私に、それに対する反応をすることができない。


「緒方先輩、いったいどこに行くつもりなんですか……?」


今はただ、手を引っ張っている緒方先輩に質問を浴びせることしかできない。