二度目の嘘をついて後悔したあと、視界に学校の姿が見えてきた。


憂鬱な気分の本当の理由を緒方先輩に知られたくない私は、適当な理由をつけて緒方先輩から離れた。


「先輩。私、クラスでの集まりがあるので、失礼します!」


ローファーからうわぐつにはきかえ、廊下を歩きながらぼんやりと雨宮くんのことを考えていた。


雨宮くんとは顔を合わせたくないな。


お母さんにわがまま言って、学校を休んだほうがよかったかも。


……雨宮くん、今日学校に来るのかな。


そう思っているうちに教室の前までやってきた。


いつも入る教室なのに、体がガチガチに固まってしまう。