まさか、緒方先輩がそんな顔をするとは思わなかったから。


「お、緒方先輩、どうしたんですか?」


「……柏木ちゃん、大丈夫? 最近顔色悪いよ」


「えっ……」


嘘。そんなことに気づくなんて……。


緒方先輩、私のことよく見てるんだなぁ。


心の中では緒方先輩に感謝しながらも、これ以上心配されないように言葉で軽く突き放す。


「だ、大丈夫ですよ。友達が死んじゃったので、悲しみのあまり寝不足になっちゃっただけだと思います」


あぁ、また嘘をついてしまった。


緒方先輩に嘘をつくことに罪悪感を抱く。