心の奥底にしまっておいたはずなのに、本音が出てしまいそうになる。


だが、本音は直美の前では言ってはいけない。


グループからはじき飛ばされて、クラスで一番の嫌われ者になってしまうから。


それだけはなんとしても避けたい。


心の中でそんなことを考えていると、ガラッとドアが開いて、ふたりの女子が入ってきた。


「おはよー、直美に梨沙!」


「おはよう。朝からすごいご機嫌ね」


朝からハイテンションで私たちのほうにやってきたのは、やはりヒロエと紀子だ。


どうしてそんなにハイテンションで教室に入るんだろう。


私には絶対できないよ。


ヒロエと紀子の元気のよさは見習うべきなのかな。


頬杖をつく私をスルーして、ヒロエが私と直美の間に割って入る。


「直美、どうしたの? 朝からテンション高いなんてめずらしいじゃん!」


ヒロエが明るい調子でそう言うと、直美がギロッとヒロエを睨んだ。


「なに、私が朝からテンション高くてなにか悪いことでもあるわけ?」