仕方ない。


バレてしまったからには話すしかない。


歩みを進めていた足を止め、久保さんに込山まで来た本当の目的を説明した。


非難の言葉を浴びせられるのではないかと内心ヒヤヒヤしたが、説明したあとの久保さんはなぜか不安な表情を浮かべていた。


「なんでそんな顔してるんですか?」


「いや……梨沙ちゃんに『水月夜』を渡したのは間違ってたのかなって。俺、本当はお土産として『水月夜』を手に入れたわけじゃないのに……俺の言葉を信じていた梨沙ちゃんが、『水月夜』のせいで死ぬかもしれないと思うと……」


えっ?


今、久保さんはなんて言ったの?