水月夜

調べるのは明日にする?


嫌だ、明日まで待つなんてできない。


絶対に今日中に調べたいの。


心の中で雨宮くんにそう返したタイミングで、聖奈と天馬くんがこちらに駆け寄ってきた。


「梨沙、雨宮くんとなに話してたの?」


「柏木、まさか颯と別れるなんて言わないよな?」


聖奈と天馬くんの表情を見ると、かなり焦っているのがわかる。


そんなふたりにニコッと微笑んだ。


「心配しないで、ふたりとも。ふたりが想像してたことはしてないから」


片手を顔の前で振ってみせて、聖奈と天馬くんを安堵させる。


ふたりの安堵の表情が見えたと同時に、背中に視線を注がれた。