拳を強く握りしめながらそんなことを考えていると、隣にいる聖奈が顔を覗かせた。


「梨沙、大丈夫?」


大丈夫なわけがない。


仲間3人を失ったんだから。


そう言いたくなるのをグッとこらえて小さく笑う。


「大丈夫だよ。私は聖奈が思ってるほど落ち込んでないし」


落ち込んでないなんて嘘。


本当は、直美たち3人がいなくなってすごく落ち込んでいるんだ。


3人の死を前にしても、心のどこかでは受け入れられないと思っているのかもしれない。


ポロッと小さい涙がこぼれる。