「しょ、処分って……」


ふたりのささやきを聞いても、なにをするつもりかまったくわからない。


だが、私の疑問をスルーするかのように、雨宮くんが私に手を差しのべた。


「柏木、一緒に帰るぞ」


「えっ、で、でも……」


「とりあえず今は志賀と遊佐と矢畑の言うとおりにしたほうがいい。俺も正直気が進まないけど、柏木がこれ以上傷つく姿を見たくないんだよ」


雨宮くん……。


じわっと目に涙が浮かんだとき、座り込んでいた直美が突然立ちあがって私のほうに歩み寄ってきた。


びくっと肩を震わせるが、雨宮くんの手を借りて立ちあがり、直美が目の前にやってくる前に雨宮くんに引っ張られて教室から逃げた。


なぜか、ポロッとひと粒の涙が落ちた……。