今までの私の行動は、私自身を苦しめていた。


学校に向かうときに緒方先輩に放った言葉がよみがえってきた。


『我慢しないでしゃべったほうがいいですよ』


数時間前に自分が言った言葉が、まさか自分に返ってくるなんて。


心臓を刃物で刺された感覚を覚える。


もう、言うしかないな。


心の苦しみから解放されるには、直美に叩かれてでも本音を話したほうがいいのかな。


そう思ったときには、口が勝手に動いていた。


「直美、ごめん。私、直美がクラスのトップに君臨してる陰で苦しんだの。なんで私だけ雑用扱いされなきゃならないのって。自分なりに頑張ってるのにその頑張りが認めてもらえなくて、苦しくなった。さらに頑張ろうとしたら直美が私のことを『陰で好感度上げようとしてる』って言ってるのが聞こえて……。私、なにかした? 直美を不機嫌にさせるようなこと、したのかな?」


閉じ込めていた思いをこぼしたと同時に、涙がポタッとこぼれた。


泣きたくなかったのに、気づいたら泣いていた。