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それからは森谷くんと2人きりにならないように気を付けながら仕事をしていた。
休憩室や印刷室に行くときは、必ず紗奈が付いてきてくれる。
あの日に”絶対に私を呼んでね”って約束させられた。
紗奈には感謝している。
…森谷くんはというと
私が立つ時の3回に1回は付いてくる。
紗奈が近くにいるのを確認してから、オフィスに戻っていく。
さらには、みんなの前でも”鈴音”と呼んでくるようになった。
2人きりにはならなくても席で仕事をしていれば話しかけてくる。
「隣の課にいる紗奈ちゃんて可愛いね。
さすが鈴音の友達。
まぁ、鈴音の方が可愛いんだけどね。…そろそろ俺のものにならない?」
・・・朔久くんが聞いたら…。
ってか、紗奈ほ方が可愛いにきまってるじゃない。
「…ならない。」
なかなか諦めてくれない。
話しかけてくるのは、偶然にも連夜がいないときで少し安心する。



