私の名前 ~After~



それからも森谷くんは、ことあるごとに私に話しかけてくる。

「おい、鈴音!いい加減に、俺のものになれよ」

「…嫌よ。何度も言うけど、彼氏がいるの。」

「…そんな答えは認めない。

今日は無理やりにでも、俺のものにする。」

ここは、休憩室。

みんな仕事中なのか、他の人は誰一人いない。

一歩ずつ近づいてくる森谷くんに、私も一歩ずつ後ずさる。

やばい…。
逃げ場がない。

休憩室の出入り口は、森谷くんの後ろだ。

私の目の前にたった彼と目が合う。

連夜に似た熱のこもった目に、彼が怖くなる。

…い、や。