「頼まれたって無理。俺、超可愛い彼女いるからさ。」
いつもの調子を取り戻した連夜がニコリと笑う。
「っ…」
…もう!
カッコよすぎるよ
「連夜そろそろ行かないと間に合わない」
お別れの時間のようだ。
「…本当に可愛いな鈴音は」
綺麗な顔が近づいてくるのを感じ、静かに目を閉じた。
短いキスだったけど、連夜の気持ちが伝わってくるようだった。
「鈴音…愛してる」
私の耳元でつぶやくと不敵な笑みを浮かべながら歩いて行った。
そんな背中を見ながら寂しさを感じたけど、やっと前に進めた気がした。
”私も決めなきゃなぁー”なんて思いながら、飛行機を見送った。