それから私たちは旅館まで帰ってきた。
帰り道も連夜は、優しく私の手を取って歩きやすいように道を作ってくれた。
「大丈夫?足は痛くない?」
浴衣のため下駄で歩いていた私を心配してゆっくり歩いてくれた連夜。
そんな連夜のお嫁さんになれるなんて私は幸せ者だ。
それぞれ旅館の露天風呂に入って来て、今は部屋で連夜に髪の毛を乾かしてもらっている。
その間に私は…。
「…鈴音。
ふふ…そんなにうれしかったの?」
私は連夜からもらった指輪を眺めていた。
細めのシルバーの指輪。シンプルでとても可愛らしい。
「うん!
連夜からもらったものなら何でも嬉しいけど、これが一番うれしかった!
ずっと大事にするね」
そう言って連夜に笑顔を向けた。



