それでいて連夜は私の隣に座らずに、私の前に片膝を地面について跪いた。
「え?
…連夜??」
その姿を見て思い出すのは、フランスでまた付き合うことになって時のことだ。
何を着てもカッコいい連夜。
いつもは背の高い連夜を見上げることが多いが、今は私よりも視線が低い真剣な瞳の連夜を見下ろしている。
とっても新鮮で…なんというか…、かなりときめいている。
「鈴音…好きだよ。」
いつも気持ちを伝えてくれて、私を不安にさせない連夜だけど何度いわれても照れてしまう。
「初めて会った時…本当に天使か女神かと思った。
たしかに朔久に紹介された紗奈ちゃんは、可愛いと思ったし朔久の好きそうな子だとは思った。
でも、鈴音を見た時の衝撃は今でも忘れられない。
この子だって思った。
俺はこの子が欲しいって、隣にいてずっと笑ってて欲しいって思った。
それなのに悲しませて、泣かせて…後悔してもしきれない。」
「それは違うよ。私がちゃんと連夜と向き合えなかったからだよ。
連夜のせいではない」
連夜は優しく微笑んで、私の頭をなでた。
「俺のせいだよ。鈴音が悲しんだことには変わりないから。
もう1度で会えて、本当によかった。もう一度、鈴音が俺を選んでくれたから…、
絶対に幸せにするって決めた。
不安になんてさせないし、泣かせない…いつでも笑顔でいられるように俺が隣にいて守るって決めた。」



