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連夜に連れてこられたのは、土手から少し離れた丘の上だった。
少し離れているからか、周りには誰もいない。
それでいて、花火がきれいに見える絶好の穴場スポットだ。
丘の上にはベンチが一つあるだけだった。
ここが連夜が来たかった場所??
「いきなりこんな場所に連れてきてごめんね」
ここに来るまでになぜか無言だった連夜が、振り返りほほ笑んだ。
「ううん。とっても花火が綺麗に見える場所だね」
連夜に向かってほほ笑む。
「…っ」
私の顔を見つめた連夜の瞳が揺れた。
??
「鈴音、ここに座って欲しい」
そう言って私の手を引き、1つだけあるベンチに座らせた。



