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「本当に綺麗な髪だね」
そう言いながら丁寧にドライヤーで髪の毛を乾かしてくれる。
連夜曰く、ずっと私の髪の毛を乾かしてみたかったそうだ。
「それじゃあ、着付けてもらってきて。
…またあとでね」
今は夕方。
これからお互いの選んだ着物を着て、花火大会に行く。
会場はそんなに遠くないようで、歩いて10分ほどの土手で行われるらしい。
さすが有名な旅館だ。
浴衣のレンタルも着付けやヘアメイクまでサービスでやってくれるそうだ。
連夜と別れて旅館の方に着付けてもらう。
連夜が選んでくれたのは、ピンクと紫の混じった蝶が舞っている黒い浴衣だった。
さすが連夜だ。センスがいい!とっても可愛い。
「できましたよ。とても可愛らしいですね。
髪型はアップにさせていただきました。簪もさしてあります。」
私の着付けや髪の毛をいじってくれた方が笑顔で送り出してくれる。
「お連れの方が玄関でお待ちです。
楽しんできてください。」



