「…ん。……鈴音、起きて。」
ん…この声は……
「れん、や…?」
うっすらと目を開くとほほ笑む連夜がいた。
「…二度寝に誘ったのは俺かもしれないけど、そろそろ起きようか。
せっかく泊まりに来てるんだもん。」
「うん…。おはよう、連夜」
隣にいる連夜に安心すると共に、温かい気持ちになった。
先に布団から出た連夜が、手を差し出してくる。
「お手をどうぞ。俺だけのお姫様」
「っ~~…」
照れて何もできないでいると、王子様のような表情からもどかしそうな表情になったかと思うと…。
「…照れ屋な鈴音を待ってられない」
そう言ったかと思ったら、私を抱き上げた。
…つまりお姫様抱っこだ。
「ちょっ…連夜??」
「鈴音を待ってなんかいられないよ。夕方になっちゃう。
…まずは一緒に露天風呂入るよ」
…!?
何て言いました?
露天風呂??
一緒に入る???
…ん????
「ちょっと待って!!」
恥ずかしすぎる!
いくら…もごもご…ごにょごにょ…だからって…
連夜に抱っこされたまま、下ろしてもらおうと暴れた。
すると、連夜が目に見えてシュンとした。
…なんだか犬の耳が見える。



