「重くなくたって大事な彼女に、荷物なんか持たせるわけないだろ。」 「……。」 「あ、照れてる照れてる。」 「んーもぉ! 照れるって分かってるなら、言わないでよ!」 口では強く言いながらも、赤くなっているだろう顔までは隠せない。 連夜は私のことをよくわかっているので、照れ隠しで言っていることもきっと分かっている。 「はいはい。 旅館の中に入りますよー(笑)」 連夜はそう言いつつも私の隣を歩いて、決しておいていくことは無い。