連夜の言葉を聞いた桃ちゃんは泣きそうになっていた。

「連夜くん、何で?
なんでももじゃだめなの?
もも、連夜くんのこと大好きだよ?」

2人のやり取りを私と晴瑠とお母さんは静かに見守っていた。

「桃ちゃんがダメなんじゃないよ。
お兄さんが鈴音じゃないとダメなんだ。

お兄さんが自分で幸せにしたいって思うのは鈴音だけなんだよ。
桃ちゃんには難しいかもしれないけど、桃ちゃんにもきっとそんな人が現れるよ。」

「ももにも連夜くんみたいな人がくる?」

「うん。
きっと来るよ。」

連夜の真剣な気持ちが嬉しい。

「…鈴音のこと、よろしくお願いします。」

お母さんが連夜に言った。

「こちらこそよろしくお願いします。」