「…全部です。
ご存知かは分かりませんが、昔鈴音さんを深く傷つけてしまいました。
失った時に改めて気づいたんです。鈴音さんという存在の大切さに。
そこれからずっと探して…もう一度俺と出会ってくれました。
もう離さないって決めたんです。
今ではないですが…今度は鈴音さんをもらいに来ます。」
”きゃー”というお母さん。
聞いた私は真っ赤になっているだろう顔を隠した。
「…聞いてる俺まで恥ずかしいわ」
そう言ったのはもちろん晴瑠。
「え?
鈴音ちゃんと連夜くんは仲良しさんなの?
だめ!
…ももが連夜くんとけっこんするんだよ!」
「…。」
私は小学生といえども、複雑な気持ちで桃ちゃんを見ていた。
答えたのは連夜だった。
「ありがとう、桃ちゃん。
…でもね?
お兄さんは、鈴音と結婚したいって思ってるんだ。」
「え?」



