紗奈…ごめんね。
思ってたことも言えなかったのは、私が連夜の話をしなかったからだよね。
「鈴音ちゃん…今の連夜をちゃんと見てあげて欲しい。ずっと…ずっと努力してきたから。
信じてあげて欲しい。…隣で見てきた俺と紗奈が保証するから。」
そう言った朔久くんは近づいてきて、連夜の頭を軽くたたいた。
「…連夜、いつまでそうしてるんだよ!…やっと会えたんだろ?
話し合えよ…」
”取り戻せ”
すると連夜が頭をあげて、私を離してくれた。
かと思ったら、すぐに私の腕をつかんで歩き出した。
「鈴音ちゃん、紗奈を守ってくれてありがとう‼」
後ろから朔久くんのそんな声が聞こえてきた。



