幸せそうな紗奈にもそんなことがあったなんて…。
「それからは何もなかったの?」
「そう思う?
…実は朔久の上司で私にしつこかった人がいて…。
朔久の上司だから、もし私と付き合ってることがばれたら朔久の今後に関わってくるかもしれないと思ったら言えなかった。」
確かに私だったとしても、連夜のことを考えたら言えないと思う。
「私が言い寄られていたことを知った時、朔久が私を初めて怒ったの。
それと同時にすごく悲しそうで…。
絶対にこの先もうそんな顔はさせたくないって思った。
昇格に関わってくるかもしれないのに、朔久は私を助けてくれた。
素直になれなくて、朔久の邪魔はしたくないって言った。
そしたら…『俺にとっては紗奈が一番だから邪魔なんてことは絶対にない』そう言ってくれた。」
『もし紗奈に害がある会社だとしたら、こっちから辞めてやるなんて言ってたのも懐かしい』
なんて言って紗奈はクスッと笑った。



