俺が名前を呼ぶと嬉しそうに、俺のところまで走ってくる。
…本当に可愛い。
手を広げて待っていると、俺の腕に飛び込んできた。
「仕事、お疲れ」
「うん…。連夜も」
「え~、彼女いたんだ~」
「ショック~」
「彼女、可愛いから仕方ないか」
なんて言葉が聞こえてくるのは気にならない。
思ってることを言わずにすれ違いそうになるのは、もう十分だ。
「えっと…」
晴瑠の困ったような声が聞こえてきて、我に返る。
「…悪い。忘れてた。」
正直に言う俺に呆れていた。
「俺が今日、連夜さんと会うことを鈴音に伝えといたんです。
思った通り、すぐきました(笑)」
そんな晴瑠の言葉を鈴音は口を尖らせて聞いている。



