私の名前 ~After~




「俺の方こそごめん。

…鈴音のこととなると、周りが見えなくなる。」

自分でも自覚はあるが、鈴音しか見えなくなる。


弟で良かった。

本当にそう思ったが…。

「きゃっ…連夜?」

鈴音を抱きしめるのは俺だけでいい。

鈴音の腕を引き、抱きしめた。


「俺の実家のことは…ごめん。

ちゃんと話したい。」

鈴音は静かに首を振った。

「…ううん。

私こそあんなこと言っちゃってごめんなさい。
1人で考えてたら悪いことばっかり考えちゃって…。」

俺は”ごめん”の意味を込めて頭をなでた。