「もうっ!いい加減にして!
晴瑠(はる)‼」
ついに鈴音がキレた。
鈴音は男のことを晴瑠と呼んだ。
鈴音は男の腕から逃れる。
「ねぇ、晴瑠。
私、待ってって…言ったよね?」
晴瑠と呼ばれた男は、鈴音に怒られたことが気に食わないのか不貞腐れている。
「鈴音、だってさ」
「だってじゃない!
それに、呼び捨てはダメって言ってるでしょ!」
…なんなんだ?
あっけに取られていた俺に気付いた鈴音が振り返った。
「あ、連夜ごめんね。晴瑠が」
「えっと…」
「おい!姉ちゃん!
こいつはいいのかよ。」
…今、何て言った?
姉ちゃん??



