隠れて見て居ようだとか、そんなことは全く思わなかった。 気付いたら、鈴音とその男の前に飛び出していた。 「鈴音。」 俺の声が聞こえたのか、鈴音はキョロキョロとあたりを見回した。 こんな場面でもそんな鈴音を可愛いと思ってしまう俺は重症だ。 「…あ!」 どうやら俺に気付いたらしい。 鈴音の視線を追って、男も俺に気付いたようだ。 遠くからでは気付かなかったが、男の年齢は俺よりも下だろう。 鈴音たちの元へとゆっくりと歩いていく。 すると男は、鈴音を後ろに隠し、俺に話しかけてきた。