「えっと…鈴音、あのな」

「私はいつだって連夜のこと信じてるよ。

…でも…連夜が本当のこと離してくれないと…信じきれなくなっちゃうよ。

私に言えないことがあるのかなって…。
お家には連れて行きたくないのかなって…。」


「そうじゃなくて」

「…ごめんね。
今は冷静に聞けないと思う。」

それだけ言うと鈴音は立ち上がった。


「え?ちょっ…待て、鈴音」

「…また、会社でね……。」


止める間もなく俺の家から出て行ってしまった。

…今まで一緒に過ごしてきて、こんなことは初めてだった。


それだけ俺の言ったことが、ショックだったってこと…か。


いつもだったら、すぐに追いかけて謝り仲直りするが…。

今回は少し時間をおいた方がいい気がした。