「っ…」

なぜか顔を赤くして、私から顔を背けた。

”これだから天然は…”

何やらぶつぶつ呟いているが聞き取れない。

「??

なに?」

「…何もないよ。

鈴音には敵わないなって話(笑)

ありがとな。」

ニコリとまぶしい笑顔を私に向けてから、再び歩き出した。

…その笑顔に照れた私は何も言葉を発することが出来なかった。


下を向き足を進める中で、周りの女の人の声が聞こえてくる。

もちろんそれは、連夜のことを”カッコいい”という声だ。

振り返る人だってたくさんいる。

でも…

「ん?」

当の本人は気づいていない。

それだけ私だけを見てくれているということなのかなぁ…なんて思いつつ。

遅れ気味だった足を進め、連夜の隣に並んで歩き出した。