そんなこと私だって思っている。

連夜がフランスに来て、私の隣を歩いているなんて…私に都合のいい夢のようで…。
覚めてしまいそうで怖い。


「…どうした?」

無意識に連夜とつないでいた手をギュッと握っていたようだ。

「う、ううん。なんでもない。」

心配して私の顔をのぞき込む連夜に気付き、慌てて返事をする。

私の言葉を聞いて連夜は足を止めた。

「…。」

なにか言いたそうな連夜の顔に首を傾げた。