…こうなったら

「…連夜。」

「どうした?」

優しく笑いかけて私の顔を覗きながら、尋ねてくる。

「…お腹すいた~。おいしいもの食べに行きたいなぁ。」

「そっか、わかった。どこか食べにいこう。」

「行く!私が案内する~」

なんとか離してもらうことができた。

近くにいてずっと緊張しているなんて、心臓によくない。

出かける準備をして、ホテルを出た。


手を繋いで道を歩く。

当たり前のように車道側を歩いてくれる連夜に心が温かくなる。

「鈴音が隣にいるなんて…なんか夢みたい。」

…女の子のようなことをボソッとつぶやいた連夜。