「待ってよ、連夜!」

会社から駐車場までの道で連夜を引き留める。

「ん?」

振り返る姿すらカッコいい。

「…違うよ。」

「??…何が?」

連夜は”俺がべた惚れ”と言った。

でもそれは違う。

「私も…同じくらい連夜のこと好きだよ?」

あんなに伝えてきたのに、連夜にはまるで伝わっていないようで悲しい。

「っ…知ってるから。」

そう言いつつも照れたように顔をそらした。


「…ねぇ、名前呼んで。」

「?…鈴音」

「…もっと」

「鈴音」

ねぇ、知ってるかな?

気付いてるかな?

連夜に名前を呼ばれるたび幸せになるんだよ?


幸せで、

温かくて、

連夜が私を選んでくれてよかった、

そう思うんだよ。