「ねぇ、どうなの??」
…でも、言わないときっと帰れない…。
「…ねぇ、そろそろ鈴音を返してくれるかな?」
この声は…
「連夜!」
「つ、辻部長!」
女性がいるのにも関わらず私にだけ話しかけてくる。
「鈴音、仕事お疲れ。終わった?」
「うん。終わったよ。」
「そっか。じゃあ、帰ろう?
どこかで食事してこうか」
女性たちは私と連夜の会話をただただ不思議そうに見ていた。
「行こうか。
…あ、君たち。」
連夜はいきなり彼女たちに話しかけた。
「あまり鈴音を困らせないでね。
…俺にとって鈴音が全て…とでも言っておこうかな。
ずっと鈴音だけを想ってきた。」
そう言うと私を愛しそうに見つめた。
…うっ、恥ずかしい。
「…と言うことだから、俺が鈴音にべた惚れ。
これくらいでいいかな?仕事お疲れ様。」
それだけ言うと、私の腕を引いて会社を出た。
後ろから女性たちの悲鳴が聞こえてきたことは言うまでもない。