「本当に好きなら、その子の幸せを願うもんじゃないの?」

…いきなりきた女性は森谷くんに説教(?)している。


「…うるせぇな。」

「陸、バカじゃないの?

そんなんだから、振り向いてもらえないんでしょ?」

…どなただろう。

「俺のことに口挟むなよ、姉貴。」

「姉貴??…お姉さん??森谷くんの?」

同じ会社にこんなにきれいな女性がいたのかと思ったが、それ以上に森谷くんのお姉さんがいたことにもびっくりした。

…というか、なぜ森谷くんのお姉さんがここに?

「助けるの遅くなってごめんな。俺が呼んできた。」

…連夜は相変わらずエスパーのようだ。

「連夜の知り合いだったの?」

「あぁ、この会社に入った時の同期なんだ。」

「………。」

なにもなかったとは言え…なんかヤダ。

「フフ…そんな膨れるなって。俺には鈴音だけだから。」

そう言って優しく頭をなでてくれる。