「……あーーー!!!!!
もしかして、セイジの彼女!?!!?!?」


「へっ!?」


女の子の正体にやっと合点がいった瞬間、当の彼女はすごい勢いで私とセイジとを見比べ、そう叫んだ。


思いがけない言葉に素っ頓狂な声が出る。



「へー!!!セイジったら、絵ばっか描いて友達の1人もいないと思ってたのに!!!
隅に置けないじゃ〜ん!?」



さっきまでとは打って変わってテンションを上げた彼女は、ジロジロと私を観察する。


頭のてっぺんから足の先まで全部を見られているような感覚がして、そわそわした。


私を眺め回す彼女は私より背が小さく小柄で、くりくりと可愛い目が興味津々な様子で私に向けられている。


ただ着るだけの私とは違って、短くアレンジされた制服のスカートと、スクバにジャラジャラとつけられた多種多様なストラップが、彼女が私に近づいた一歩で大きく揺れた。


巻かれたツインテールからふわりといい匂いがする。



とても女の子らしい子だと思った。


私の周りにはここまでしっかりメイクをする人がいないからか、まるで違う世界に住んでいるかのような錯覚を覚えた。



「こら。エリカが困ってる」


「あ。ごめんごめーん、テンション上がっちゃった!
最近セイジ変わったな〜って思ってたんだ。
まさか彼女ができたからだったなんてね〜!?」


「ごめんね、エリカ。
これ、幼馴染の亜希奈」


「ちょっと。これって何よこれって!
どーも、亜希奈っていーます!」


「あ、エリカです……はじめまして」



とびきりの笑顔でこちらを見る亜希奈さんに、にこりと笑みを返す。



こんなに可愛い子が、幼馴染……。


改めて実感したその事実に、胸が少しチクンとした。