お母さんの言葉が、心を抉る。


今は。


ただ、優しくして欲しいのに。


これ以上傷つきたくなんてないのに。


お母さんは、いつもそうだ。


私が欲しいときに、私の欲しい言葉を、くれない。


「あんた、入学してから、なにやってたの?」
「お母さん……」
「これなに?」


そういって机の上に置かれたのは――。


「あ……」


仁依菜ちゃんと見ようと思ってもらった、求人情報誌だった。


「こんな成績とっておいて」


学校帰りに捨てればよかった。

なに、持って帰ってきてるんだろう。

それでお母さんに見つかって怒られるとか――、サイアク。


「そんなに遊ぶお金が欲しい?」
「ちがう、」
「じゃあなんでこんなの持ってるの」
「友達に。誘われて」


でも。

それは、白紙になって。


ううん。白紙になるどころか。


友達だと思っていた子も、友達じゃ、なかった。


そんな話をしたら、どう思う?


慰めてくれる?


それとも、やっぱり、

そんな私のこと、情けないとか、出来損ないって言って、呆れちゃうのかな。


お酒飲んだお母さんから聞かされたくない話、聞かされるのかな。


いつものように。