【殴られる】【突き飛ばされる】【足を引っ掛けられる】【机を隠される】【教科書に落書き】【靴に画びょう】【背中を針で刺される】【ズボンを脱がされる】【裸を強要される】【髪の毛を切られる】【カツアゲされる】【ゲーム機を取られる】【パンを買って来いと言われる】【宿題をやらされる】【カンニングされる】【殴られる】


黒板に、次から次へと書き込まれるいじめの数々。


書記として任命された日直、和田カレンのやや丸まった文字で、黒板が埋め尽くされていった。


それくらい、村瀬のいじめは目に余るものだ。


こうして字にするとよく分かる。


3人が、どれほど和久井進をいじめていたのか。


そしてそのことを、俺たちは【異常】だと感じていなかった。あまりにも当たり前の日常となっていたんだ。


「いつもいつも、村瀬は僕のことを傷つけた。目が合えば蹴りが飛んできた。目を伏せてても、わざとぶつかってくる。どこにいたって、いつも僕のことをいじめてくるんだ!」


興奮し、ツバを撒き散らして惨状を知らしめる、いじめられっ子。


体をよじって喚いている村瀬は、首を振って否定しているのか__でも俺たちは見てきた。


和久井の言う通りに、村瀬がいじめを行ってきたことを。


「僕はお前を絶対に許さない!」


被害者の怒りは、凄まじかった。