「それじゃ、授業を始めようか?」


自然と声も大きくなる。


自信というものは、なにもかもを変えるようだ。


「まず、邪魔な死体を片付けてくれ」


そう言うと__。


「お前っ‼︎」


1人の生徒が飛びかかってきた。


すぐに他のやつらに取り押さえられたが、もう少しで殴られるところじゃないか。


教師に暴力をふるうなんて、言語道断。


僕はその生徒を指差した。


「楠木雷人」


名前を呼んだだけなのに、教室全体の空気が張り詰める。


つまり、主導権を握っているのは、教師の僕だ。


クズのお前たちじゃない。


「楠木雷人?」


名前を繰り返すと、ぐっと奥歯を噛み締めていた楠木の口から「__はい」と聞こえてきた。


「さっきも言ったが、もうちょっと大きな声で返事をしてくれないか?名前を呼ばれたらちゃんと返事をする。そんなことすらできないのか?」


どれだけ挑発しても構わない。


まずは、徹底的に上下関係を叩き込まなければ。


お前たち生徒は、教師に逆らえないのだと。


今や、全てが僕の思う通りだ。


これが望んでいた、あるべき姿じゃないか?


生徒はおとなしく、先生のいうことをきく。


当たり前のことじゃないか?