「先生、どういうことですか⁉︎」
森本亜希子だ。
森本は自分の机にはいたが、唯一、席にはつかず立っている。
誰もが、クラス委員を見つめていた。
みんなの気持ちを代弁する、責任感の強い学級委員のことを。
「あのメールは本当に先生が送ったんですか?」
単刀直入だ。
問い詰めたいが、それができない俺たち。今もナイフは教壇に刺さったまま。
正義感の塊のような森本の目には、そんな刃物は写っていないのだろう。
「先生、答えて下さい!」
「そうだ。あのメールは先生がみんなに一斉送信した」
「それじゃ、どういうことですか?どうして、安達くん、鮎川さん、一ノ瀬さんは亡くなったんですか?呪われているって、そんなの、亡くなった3人に失礼です!謝って下さい!」
全く攻撃の手を緩めない森本が、畳み掛ける。
許せないんだ。
クラスメイトを侮辱され、恐らく森本は責任も感じているんじゃないか?
クラス委員として、守れなかった責任を__。
俺たちは固唾を飲んで成り行きを見守っていた。
こんなことなら、もうちょっと学級委員の言うことをきけば良かったと全員が思っているに違いない。
教師vs生徒のにらみ合いが続く。
先に口を開いたのは、教師の今井だった。
「まず、どうして3人が亡くなったのか説明しよう。謝る謝らないのは、その後だ」



