「それなのに3年1組の生徒は、授業を聞いていない、私語だらけ、先生をバカにして、こともあろうに暴力を振るう。いじめには見て見ぬ振り、全員が好き勝手にやりたい放題。いくら私が注意をしても、先生がクラスを立て直そうとしても、誰1人、協力しようという生徒はいなかった」
「まさか、それで先生に協力したの?」
洋子の口調には、信じられないという響きが含まれていた。
まさか、そんなことで?
「私たち生徒にとって先生という存在は【絶対】でないといけない。それが学校なの。だから、その為だったら私はなんだってする。本来の学校の姿を取り戻すためなら、私は協力を惜しまない」
「そんなの間違ってる。そのせいで、クラスのみんなが死んでいってるのよ?あなたは、ただ人殺しに加担しただけじゃない!」
「それがどうしたっていうの?」
「えっ__?」
「先生が生徒をどうしようが、それは自由よ。それでよりよいクラスになるなら、いじめっ子なんて居なくなればいいと、私は思う。いじめられっ子も居なくなればいい。そしたらほら、いじめそのものがなくなるじゃない」
森本の主張は、今井が行った【いじめ裁判】そのものだった。
そして森本亜希子は、言い切ったんだ。
「だって先生は___【神様】と同じだから」



