⁉︎⁉︎⁉︎


小金沢の名前が呼ばれた。


今井の声だ。


でも、今井じゃない。


目の前でダウンしている担任は、声を出すのも辛そうだ。


それなのに、どうして__?


「小金沢?」


ナイフを持った手が、小刻みに震えている。


顔色が、さっとなくなっていく。


「__はい」


ようやく返事をし、息を大きく吸い込んだ小金沢はまた、仕切り直してナイフを胸に__。


「小金沢篤」


「えっ⁉︎」


まただ。


目の前の今井は口を開いていないのに、名前を呼ぶ声はどこか遠いところから聞こえてくる。


「小金沢篤」


まだ本人が返事をしないうちに、名前が呼ばれる。


「小金沢篤」


どこからだ?


どこから__?


教室内を見回すと、洋子たちが天井を見上げていた。


教室の隅の、スピーカーを。


まさか、あそこから__?


「小金沢篤!」


下敷きになっていた今井が突然、大声で呼んだ。


びくりと体を震わせた小金沢を押しのけ、立ち上がる。


それなのに聞こえてくる、名前を呼ぶ声。


学校中に響き渡る声は間違いなく、今井の声だ。


どういうわけか、聞こえてくる。


校内放送が__。