死席簿〜返事をしなければ即、死亡



圧死。


ぴくりとも動かなくなった、今井。ジャクソンが覆いかぶさっていて、その姿はなにも見えない。


でもそれで充分だ。


軽く三桁はある巨大に押し潰され、名前を呼ぶこともなく死んだに違いない。


「ジャクソン、もういい」


俺はいつまでも動かない浩志ジャクソンに声を掛け、その肩に手を置いた。


???


なにかがおかしい。


なにかが__?


「おい、ジャクソン?」


強く肩を揺さぶったその時、ジャクソンは大きく呻いたかと思うと仰向けにひっくり返った。


その口から、血を流して。


教室全体が悲鳴を上げる。


その大きな腹に、ナイフが深々と突き立てられていたからだ。


「お前の汚い血で汚れた」と、今井が顔をしかめて立ち上がる。スーツは濃い赤色で染まっていた。


ジャクソンが襲いかかった時、間一髪、教壇から抜き取ったナイフで突き刺したんだ。


まだ生きてはいるが、もう瀕死の状態だった。


このままじゃ、死ぬ。


「教師に歯向った罰だ」


冷たく言い放つと、今井はにんまり微笑みながらナイフを一気に引き抜く。


どくどくと血が溢れ、身悶えしたジャクソンはやがて___息絶えた。


「お前なんか、名前を呼ぶ価値もない」