『お誕生日おめでとう』 夜、会社から帰ると自宅に届けられた大きな段ボールとメッセージカード 1m近い大きさのそれは狭いわが家の玄関に入りきらず、 諦めた母にそのまま外へと放置されていた 「お姉ちゃん、すごいね」 一つ下の妹は感心しているとも呆れているともとれる口調でこぼす 段ボールの一部はセロファンがはられ、中身がわかるようになっていた そこから見えるのはーーー 真っ赤なバラ25本+カスミ草の花束