「やっぱ、自分は恋してもダメなんだ。」




帰り道、1人そう呟き





雨に打たれながら帰る。







今頃になって






泣きたくなってきた。








「はぁ……。」









自然と涙が出てくる。






涙は、雨で隠すように








どんどん出てくる。






どうすれば、






わすられるんだろう。






忘れようとするほど





思い出してきて








涙が止まらない。









「何泣いてんの。」









「え、。」









前を見ると、







ものすごく背が高い男の子が立っていた。





しかも髪は、金髪。





「なんで、傘もささずにたってんの?」





「風邪ひくじゃん。」







「あ、……えっと、。」








あたふたしてると







「ん、!」






「え…?」






男の人を見ると



手にはさしていた折りたたみ傘とタオルが握られていた。








「え、いや!大丈夫です。」






「私、全然風邪ひかないので……、!」








「違うわ、ばか。」





「へ?」









「泣くんなら、堂々と泣くんじゃなくて何かで隠して泣けよ。」




そう言うと、






折りたたみ傘を開き






「こっち。」






手招きをされる。






「え、あの……。」







「いいから。」






手を引っ張られ、傘の中に入る。




相合傘状態。








「な、何してるんですか!」







「泣きけば。」






「へ……?」








「あぁ!もう!!我慢せずに泣いていいから。」




「見られないよう、隠すから……。」








その優しい言葉に、






私の中の制御していた感情が溢れ出した。